ウェブ進化論とSTAND ALONE COMPLEX

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)[rakuten:book:12019803:detail]

とても素晴らしいエントリを見つけたので、ご紹介しておきます。
集団としての個が、共有というWeb2.0のキーワードにより加速していると思います。

STAND ALONE COMPLEXの意味
ウェブ進化論」を読んでいて思った事。
最初にこの「STAND ALONE COMPLEX」という言葉と出会ったとき、私は「個別に存在する者の集団って何だ? 言葉として矛盾していないか?」と思いました。
この言葉は攻殻機動隊というアニメにおいて「我々の間にはチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすれば、スタンドプレーから生じるチームワークだけだ」(攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第5話攻殻機動隊PKIより)との台詞により意味を説明しています。つまり個々に勝手に行動(スタンドプレー)していった結果が一つの成果(チームワーク)として生じるというもの
(中略)
ウェブ進化論を読んでいて気付いたのですが、今、この世界においてSTAND ALONE COMPLEXが最も成立しやすいのはソーシャルブックマークサービスだと考えられます。
ソーシャルブックマークサービスとはユーザーがアカウントを作成し、気にねるページを見つけてはそのサービスを使って登録し、自分のお気に入りページを作っていくというもの。Webブラウザにおける「お気に入り」がオンライン上にあり公開されている、と言えば分かり易いでしょうか。
ソーシャルブックマークサービスに関してウェブ進化論では以下のように書かれています。
>例えば無数の「個」が、時々刻々と面白いと思った記事にブックマークすれば、記事ごとに注目度のスピード感が計算できる。その計算結果に応じ、世の中「全体」の「注目記事」ランキングを自動的に導き出すことができるはずだ。リアル世界の雑誌編集部によって作られる「雑誌の中吊り広告」とは、人々の反響の大きそうな記事ほど大きな字で表記されたものだ。そんなものがリアルタイムで自動生成され続けるイメージに近い。
(中略)
個人が勝手気ままにブックマークした結果が最終的にサービスを利用する人全体に良いか悪いかは別問題として大きな影響と利便性を与えている事は確かです。現代社会において多数が注目する事は常識となるので自ら注目しなければ常識のない人となってしまうかもしれないですから、注目記事をチェックする事は多くの人にとって大事な事です(あくまでそういう風潮があるというだけです)。
こうした現象をSTAND ALONE COMPLEXと呼ばずして何と呼べば良いのでしょうか。他に適当な言葉は思いつきません。また、オープンソースソフトウェアにも同じことが当て嵌まると考えられます。これもウェブ進化論に書かれていた事ですが。
(中略)
要するに何が書きたかったのかと問われれば、それは攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXの脚本家が2002年より以前にそうした現象が起こりうる事を予期していたのはすごいなって事。2001年頃にはWeb2.0という言葉は存在していたようですが、それをいち早く取り入れてアニメとしたのはやはり凄いの一言ででしか巧く表現できません。
http://rinrin.saiin.net/~enterprise/2007/02/stand_alone_complex.php