Paul Grahamによる「スタートアップの始め方」の個人的な要約(1)
原文はPaul Graham氏がハーバードコンピュータ協会で講演したものであり、本稿は、それを青木靖氏により訳されたものを個人的なメモの為に要約しています。
http://www.aoky.net/articles/paul_graham/start.htm
(2/13追記)このエントリの読み方
- 時間がないときは、小見出し、黒丸、リストを読む
- それで意味が分からないときは、白丸などその下のアウトラインまで読む
- それでも分からない場合は、原文に飛ぶ
成功するスタートアップを作るには3つのことが必要
- 優れた人たちと始めること
- 顧客が実際に欲しがるものを作ること
- 可能な限りわずかの金しか使わないこと
スタートアップを始めるときにすごいアイデアは必要ない
誰かを雇うか決めるための方法
- (英語でないと意味は通らないが)その人を動物にたとえることはできるか?
- (例1)営業であれば、ノーという答を決して受け取ろうとしないような人
- (例2)ハッカーであれば、コードにバグが残った状態でベッドに行くくらいなら朝の4時まででも起きているような人
- (例3)広報であれば、自分の携帯でニューヨークタイムズの記者に売込みの電話をかけるような人
- (例4)グラフィックデザイナなら、何かがしかるべき位置から2ミリずれていると肉体的苦痛を感じるような人
- プログラマへの追加テスト
- その人は純粋に頭がいいか
純粋に頭のいい人というのは、「知らない」「たぶんあなたの方が正しい」「私はxのことは良く理解していない」というようなことを言える能力によって識別できる。ただしこのテクニックはいつも機能するとは限らない。 - その人は物事を成し遂げるか?
- ハッカーの中には我慢しかねる個性を持った人もいるので、一緒にいて耐えられるか
- その人は純粋に頭がいいか
創業メンバーについて
- 創業者は2人から4人の間が理想的だ。たった1人で始めるというのは難しすぎる。1人で会社を立ち上げることの精神的な負担に耐えるのは困難だ。
- 技術的なスタートアップ――スタートアップの大半はそうなのだが――では、創業者に技術的な人間を含めるべきだ。
- スタートアップを運営する上でビジネスについて知っていなければならないことは、ビジネススクールどころか大学に入る前からみんな知っているような常識的なことだけなのだ。
顧客が求めているもの
- 失敗するスタートアップのほとんどすべてについて言えるのは、本当の問題は顧客がその製品を欲しがってないということ
- 会社の潰れた理由は多くの場合「資金を使い果たしたため」とされるが、それは表面的な原因でしかない。なぜ彼らはもっと投資を得ることができなかったのか? それはたぶん製品が売れないからか、製品が完成しそうにないからか、あるいはその両方であるためなのだ。
- 顧客が欲しがるものを作るための唯一の方法は、彼らの前でプロトタイプを造り、彼らの反応に応じて改良していくということなのだ。
- 顧客が求めるものをどうやって見出せばいいのか? 彼らを観察するのだ。そのための最良の場所の1つはトレードショーだった。トレードショーというのは新規顧客を得る方法としては引き合わないが、マーケットリサーチの方法としては価値がある。
- テクノロジーを使いやすくするということには、ものすごく真剣に取り組む価値のあるということだ。
- ハッカーはコンピュータを使い慣れており、ソフトウェアが普通の人たちをどれほど怖がらせているか想像もできない。スティーブン・ホーキングの編集者は、本に方程式を1つ入れるごとに本の売り上げが半分になるのだとホーキングに言ったそうだ。テクノロジーを使いやすくすべく働くときには、このカーブを下るかわりに上ることになる。使いやすさの10%の改善は、売り上げを10%増やすわけではない。それは売り上げを2倍にもするのだ。
- 「自分のようでない人たちがテクノロジーに望むものは何か?」を考える
- 成功の見込みが高いのはニッチマーケットの方だ。
- スタートアップは人々が以前手にしていたのより良いものを提供することで金を得る。だから一番チャンスがあるのは最も状況がひどいところということになる。
- スタートアップのアイデアがほしいならあなたにできる最も効果的な方法は、中くらいのサイズの非テクノロジー企業を見つけ、彼らがコンピュータを使って何をしているか2週間ほど観察することだ。
「資金を集める」より後ろは次回以降で。