GoogleがSaaSサービスの提供を開始。

Google独自ドメインメール、オフィスアプリなどを利用できるSaaSサービスの提供を開始した。

グーグル、独自ドメインメールやオフィスアプリが利用可能なSaaSサービス

 グーグル株式会社は2月23日、企業向けSaaSサービス「Google Apps Premier Edition」を発表した。同日より提供を開始する。価格は、1アカウントあたり6000円(税別)/年。
 今回発表されたGoogle Apps Premier Editionは、独自ドメインを利用したメールサービス(Gmail)、チャット&IP電話Googleトーク)、スケジューラ(Googleカレンダー)、ワープロ表計算ソフト(Google Docs and Spreadsheets)、カスタマイズ可能なWebページ(スタートページ)、Webページ作成ツール(Page Creator)をSaaS形式で提供する有料サービス。
(中略)
 同社エンタープライズセールスマネージャーの大須賀利一氏は、「企業システムは、どんどん複雑になっており、これを企業が管理するのは大きな負担となっている。こうした現状に対して、SaaSというモデルはそれを軽減するサービスといえる。コンシューマ向けテクノロジーを利用することで、ユーザートレーニングの負担を軽減することができるのではないか」と、同社が企業向けにSaaSサービスを提供する意義を説明。「APIを公開しているので、企業内で利用しているアプリケーションやサービスとの連携なども可能」と、企業の既存システムと連携した利用も可能な点を強調した。
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/software/2007/02/23/9707.html

SaaSとは?

SaaS (software as a service).

サーズ / サービスとしてのソフトウェア.
ユーザーが開発者などからソフトウェア提供を受けるに当たり、必要な機能のみを選択して利用できるようにしたソフトウェアのこと。
(中略)
「ソフトウェアを部品の組み合わせとして構築する」「それをオンラインで動的に提供する」というコンセプトからなるが、ASP、ユーティリティ・コンピューティング、SOAなども同じ方向へ進化しており、しばしば同義語・類義語と見なされる。
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/saas.html

Googleの考える企業システム

以前、「Web2.0が企業システムにどう影響するのか?」という事をこのblogの中で書いたが、そのGoogleの一つの答えがGoogle Apps Premier Editionだ。

Web2.0が企業システムにどう影響するのか?

多くのSIベンダーは企業システムを作るから、この問題を考えるには、「Web2.0が企業システムにどう影響するのか?」ということを考える必要がある。これは、「あちら側」を利用したシステムと、(中略)「こちら側」のシステムのコスト差が、1万倍、10万倍、100万倍と大きくひろがっていく。〜「ウェブ進化論」〜
という本質を考えてみると分かる。
http://d.hatena.ne.jp/usukey/20070208/1170931330

Google大須賀利一氏が「コンシューマ向けテクノロジーを利用することで、ユーザートレーニングの負担を軽減することができるのではないか」と答えている。メールやスケジュール管理用のアプリケーションのように大多数のユーザーが使用するシステムの入れ替えは、ユーザー数が多い分トレーニングコストがかかる。そこをコンシューマ向けテクノロジーを利用し、軽減すると言っている訳だ。

導入側の企業は、システム導入にあたりシステム開発コスト、トレーニングコスト、運用コストと効果を通常考慮するが、Google Apps Premier Editionはシステム開発コストはゼロ。トレーニングコストを抑え、運用コストは1アカウントあたり6000円(税別)/年。(メール、チャット&IP電話、スケジュール、ワープロ表計算、Webページ、Webページ作成ツールすべてを含んだ値段)

Googleと既存ベンダーとの戦いは始まっているが、営業力の差が成否を分けるのか?「営業マンによる営業は不要」なWeb2.0を信じるのなら、営業マンの数が成否を分けるはずが無い。ただ、これが日本市場における定説になるとは今の僕には信じ難い。ここは今後の動向を見て行きたい。

コンシューマ向けサービスでは強力なGoogleが、どのような方法で日本市場に入って行くのか非常に楽しみだ。